北海道といえばジャガイモの産地として長年にわたり知られていますが、最近ではサツマイモの栽培が増加傾向にあります。この意外なシフトは何を示しているのでしょうか?本記事では、北海道で観察されるジャガイモからサツマイモへの栽培シフトの背後にある要因を探ります。
サツマイモといえば茨城県が産地
日本におけるサツマイモ生産の重鎮、茨城県はその産出量で国内をリードし、「サツマイモの王国」と称されるに相応しい地です。特に「紅はるか」や「シルクスイート」などの品種は、その甘みとユニークな食感で知られ、これらを使用したスイーツや加工品は多くの人々に愛されています。
干し芋などの製品はファンが多く、購入のために茨城県に足を運ぶ人もいます。
しかし、近年はサツマイモの生産量において、北海道が徐々にその地位を高めてきている傾向にあります。
北海道で広がるサツマイモの栽培
北海道におけるサツマイモ栽培の拡大は、地球温暖化による気候変動が大きな要因として挙げられます。かつては寒冷な気候で知られていた北海道ですが、徐々に温暖化が進み、暖かい気候を好むサツマイモの栽培が可能になりました。この結果、サツマイモの生産量が増加し、北海道は新たなサツマイモの産地としての地位を確立しつつあります。
道内の作付面積は2022年の37ヘクタールから今年は67ヘクタールに拡大した。生産量は22年が620トンで、今年は高温が続いた影響で生育がよく、概算値で前年の2倍以上となる1270トンとなる見込みで、千トンを超えるのは確実という。
北海道新聞
気候変動の影
地球温暖化による気候変動は、北海道の農業にも影響を及ぼしています。これまで寒冷であった北海道の気候が徐々に温暖化してきたことで、暖かい気候を好む作物であるサツマイモの栽培が可能となり、生産が拡大しているのです。
世界的にも温暖化の影響で大きく農業にも影響を及ぼしているのも事実です。
市場需要の変化
消費者の嗜好の変化も、栽培作物のシフトに影響を与えています。
近年では、干し芋やさつまいものスイーツ、消費者の好みの変化や健康志向の高まりにより、さつまいもへの需要が増加している可能性があります。
経済性
農業経営の観点から、ジャガイモの栽培よりもサツマイモの栽培の方が高い収益を得られる、またはコストパフォーマンスが良いと判断された結果、栽培が増えている可能性があります。
結果的に、今までジャガイモの栽培をやっていた農家がサツマイモの栽培へシフトしているのが現状です。
これからの未来、生産量が茨城県を超えて北海道に変わる日も遠くないかもしれません。